週刊FSUIRI

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【倶楽部紹介】新本格ファンクラブ

雪に閉ざされた人里離れた山荘、避暑地の無人島に建てられた瀟洒な館。それは、新本格の旗手と言われる作家の方々にとっても、読む側の私たちにとってもとてつもない魅力を秘めたシチュエーションにほかなりません。

あえてそのシチュエーションを舞台とし、国内外の古典を祖とする本格ミステリをこよなく愛するがゆえに生まれた現代のミステリ作品の数々、、。それはまさに新しい本格、そう、「新本格」です。そんな新本格ミステリを楽しむ倶楽部を、代表の波心さんがご紹介くださいました。

新本格を語る上でなくてはならないのは、泣く子もだまる新本格の原点的存在かつ現代ミステリの大家・島田荘司。彼は『占星術殺人事件』『龍臥亭事件』などの名作の数々が揃う人気探偵御手洗潔シリーズを生み出すとともに、たくさんの若手作家たちを発掘。まさに新本格の創世記時代を築き上げました。

その後、新本格の旗手にして綾辻以前・綾辻以後という基準値まで生み出したミステリの申し子・綾辻行人がデビュー作『十角館の殺人』をひっさげて華麗に登場。この作品は新本格のスタンダード作品になっています。

そして、第2次新本格ブームともいえる新本格作家氾濫期。この時期に、ある意味新本格の分岐点となった強烈な作品が現れます。鬼才・麻耶雄嵩の『夏と冬の奏鳴曲』。この作品をきっかけに、セカイ系や君と僕派、萌え系、ラノベ系、ネオ新本格などの各派が生まれたと言っても過言ではないでしょう。

しかし、どこまでが新本格か、という分類のいちばん難しいのも新本格ならではの特徴です。でも大丈夫。あなたが新本格だと感じたら、それは新本格。個性豊かな新本格ミステリの魅力を、ここ、新本格ファンクラブで語り明かしましょう。

今回は、新本格になじみの薄い方々へはもちろんのこと、新本格フリークの方々へも自信を持ってオススメできる、少々毛色の変わった新本格ミステリを3つ、ご紹介します。

『絶海』アンソロジー(恩田陸・西澤保彦・歌野晶午・近藤史恵) 祥伝社
孤島フリークへ贈る贅沢なアンソロジー。四人の作家のファンの方はもちろん、まだこの中の誰の作品も読んでいない方、また、新本格は初めて、という方へも自信を持ってオススメできる、新本格への格好の入門書です。せつなさあり、笑いあり、スリルあり、謎解きあり。どうぞご堪能ください。
『星の牢獄』谺健二 原書房
一味違う新本格、SF風味をお求めの方へオススメ。分厚いですが、一度読み始めたら最後、止められません。ラスト近辺に至れば、タイトルの秀逸さに気づくはず。環境や社会への問題提起や青春小説的なところもあるので、幅広い年齢層の方々に楽しんでいただけること請け合いです。
『ウロボロスの偽書』竹本健治 講談社
今まで読んだことのない新本格を読みたい方へ。新本格ムーヴメント第一期・第二期の作家さんの作品をある程度読んでおいたほうがぐっと楽しめます。第二の中井英夫と呼ばれる著者独特の作風。どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションか。ハマります。ぜひご一読を!
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2005年10月10日 23:53に投稿されたエントリーのページです。

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