「明智さん、もっと前にあなたにお会いしていたら、、」
・・・明智、女主人公の身体をしっかりと抱きしめる・・・
・・・女主人公の口の端から流れ出す一筋の血・・・
そして彼女はがっくりと首を落とし息絶えたのであった。
・・・・・
私にとって名探偵明智小五郎とは故天知茂氏演ずるところのこのような場面に集約されている気がします。みなさんにも自分なりの明智像があるのではないでしょうか?
今日は、この明智の生みの親、江戸川乱歩のファン倶楽部、乱歩倶楽部のご紹介です。
ぼ、ぼ、ぼくらは少年探偵団、という歌を聞いたことはありますか?子どものころ、夢中になって読んだ怪人二十面相と名探偵明智小五郎、そして彼の率いる少年探偵団の冒険物語は今でも胸をワクワクどきどきさせてくれます。
一方で、猟奇、妖美、耽美という言葉も乱歩にはついてまわります。数々のすぐれた海外ミステリを日本に紹介してくれた方であると同時に独自の世界観で読むものを引き込まずにはおかないストーリーテラーでもありました。
と、まぁ、このようなことは皆さん先刻ご承知かもしれませんね。そんな乱歩の作品を、子どものころ読んでワクワクした人も、読んでちょっと気持ち悪くなっちゃった人も、もう一度味わい、話しませんか、というのがこの乱歩倶楽部なのです。
というわけで、長い前置きはこのくらいにして、乱歩倶楽部の代表、早見裕司さんのお勧め3作品をご紹介します。
- 『白昼夢』
- 通りを歩いていて、ふと何かの拍子に誰かの話が耳に入ってくる、、、よくあることですね。
自分の妻を愛して愛して愛したある男が、そのためにとった行動とはどんなものだったのか、心にきざした疑いをどうすれば心の中から追い出せるのか。
妖美の世界の代表作と言われる短編です。 - 『青銅の魔人』
- あなたは青銅の魔人の姿をみたことがありますか?
歯車の回るギリギリという音を響かせながら夜の東京を歩く魔人、、その手には、そのポケットにはいくつもいくつものキラキラ光る懐中時計がぶらさがっています。
日本のベーカーストリートイレギュラーズともいうべき「チンピラ別働隊」初登場の大冒険活劇は、少年探偵団ものでもっとも優れているといわれています。今読んでも楽しめること請け合いです。 - 『孤島の鬼』
- 箕浦氏、彼はまだ30歳にならぬというに、その髪はどこもかしこも真っ白なのです。そして彼の妻の太腿には、大きなアザ。
二人が何故このような姿になってしまったのか、そのすさまじい体験を綴った物語は箕浦氏の恋人が無残にも殺されたことから始まります。そして箕浦氏が頼みに思う素人探偵の深山木氏までが衆人環視の浜辺で不可解な死をとげてしまうのです。
猟奇と謎の融合がもっとも上手くいっている作品と言えるでしょう。読み始めたら最後、頁をめくる手を止めることができなくなります。
どうぞお楽しみください。





